アランとポール ( アランへの試み 編 )
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2017/10/04(Wed)
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相変わらずポールは、アランのことが大好きである。 夜はそれぞれの小屋で寝るようにしているが、 朝になって小屋から出すと、ぴゅーっと隣の小屋に まっしぐらに向かう。  そして、日中アラン・フィールド内で 二頭並んで草を食べている時は とてものんびりした光景なのだが、 我々が外から餌を持ち込むと、 例えば、ニンジンとか枝豆の葉とか、 こういう場合には、空気が変わる。 アランは、角でポールを追い払いながら食べる。 独り占めしたいのである。 ポールは「エ、エ~」と幼気な声をだしながら、 さっと逃げては食べる、を繰り返す。 これらは動物の本能である。 強いものが餌をまずは独占し、 残りものをその他のものが食べる。 ライオンは、狩りすらしないオスが 獲物の一番いいところを頂く。 狩りをしたメスたちや子どもはその後である。 それは理解の上で、今まで彼らの秩序に 任せていたのだが、賢いアランなら その本能を超越した“少し、譲ってやるか”を 実現できるのではないかという期待感が膨らみ、 訓練というか、教育を始めた。 アランがポールを追い払う行動をすると、 すぐにアランのそばに行ってその餌から遠ざける。 もちろん、本気で怒って対峙する。 すると、アランはこちらの剣幕に驚いて、 「グゥ~」と声を出して、悲しそうな顔をする。 涙が出そうな思いだが、 「アラン、お前ならできる。」 熱くそう語りかけていると、 スッと視界の下の方に白い物体が見えた。 小さな細い体を精一杯大きくみせるように、 ポールが胸を張って割って入っている。 「お兄ちゃんと喧嘩するな」 と言わんばかりに。 ( そうだよな by 農園主 )
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