孜々(しし)として
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2023/06/29(Thu)
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君津市立図書館(結構な蔵書数)で、
珍しく植物学者の特設コーナーがあり、 1冊借りて帰った。 朝の連続ドラマのモデルに なっている人の自伝だったことは、 しばらく読んでから気が付いた。 普段、テレビはニュース以外は 見ないが、それにしても 我ながら勘の鈍さに呆れた。 「 学位や地位などには私は、 何の執着をも感じておらぬ。 ただ孜々(しし)として、 天性好きな植物の研究をするのが、 唯一の楽しみであり、 またそれが生涯の目的でもある。」 ( 「好きを生きる」 牧野富太郎 著 ) 小学校を中退した後、 独学で植物の観察に熱中し 「日本の植物学の父」となった。 多くの植物の命名を行い 「雑草という草は無い」 という言葉を残した人物。 (昭和天皇の言葉かと思っていたが) 植物との関係は、 確かに休むことはできず、 まさに孜々とした態度が求められる。 なにせ相手は言葉を発しないのだから。 そういう意味では農業も栽培面では、 学位は役に立たないかも知れない。 でも、学者との違いは、 我々はそれを販売して初めて仕事が 成り立つことなので、 「マーケティング」や「営業力」や 「会計学」も勉強が要る。 (そういう意味でも百姓である by 農園主) |
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作る人、食べる人
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2023/06/24(Sat)
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イチゴの出荷高が全国1位の
栃木県では、今年の販売額が 過去最高を更新したそうだ。 牽引になったのは、 新品種の「とちあいか」の売上が 伸びた(2.6倍)ことにある。 確かにスーパーでもよく見かけた。 栃木県では生産の8割を占める “とちおとめ”に代わる品種に 育てていく目論見だそうだ。 「“とちおとめ”よりも収量が3割増し」 「病気に強い」 「実が固いのでパック詰め、輸送に有利」 ということで期待の品種とされている。 個人的には食する機会がなかったので、 味覚の違いは知らない。 しかし、農業界にありがちな 生産者の自己都合に陥ってないか 心配になってしまう。 作る理由は、 「消費者が望むから」に他ならない。 それが、 収量が少なかろうと(おいCベリー)、 病気に弱かろうと(かなみひめ)、 実が軟らかろうと(紅ほっぺ)。 皆さんの喜ぶ顔を見たいがためである。 これは決して綺麗ごとではなく、 農家の生命線である。 (楽な仕事はないでしょ by 農園主) |
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年1回のお約束
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2023/06/23(Fri)
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今年も人間ドックに嫁さんと出かけた。
(というか連れて行かれた?) 君津で同じクリニックに通って 11年目の検査になる。 胃カメラも看護士さんの 優しい励ましで、 迷惑をかけずにクリア。 無事に帰って来られた。 病院は幾つになっても苦手である。 検査結果によれば、 毎晩の晩酌でも肝臓は元気らしく、 これは両親に感謝している。 もちろん、年齢相応に細かいところは (悪玉コレステロールとか) 色々あるが、いずれも大袈裟なものでは ないということである。 嫁さんともども。 また1年しっかり働いていいという お墨付きをドクターからいただいた。 元気に働けることは幸せに他ならない。 (ブラックであろうとも by 農園主) |
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再訪 『ランチの王様』 (食事処池田 編)
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2023/06/22(Thu)
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久し振りに鴨川市まで足を延ばした。
開店が昔よりも30分早まって、 11時になったことからも、 人気の高まりが伺える。 すでに開店前から何組も待っていたが、 なんとか第一陣で滑り込んで、 お目当ての“金目鯛の煮付け”定食を いただいた。 ![]() 注文を受けてから煮付け始めるので、 身はプリプリ。煮付けが浅いのがいい。 煮汁が濃い目なので、身をほぐして、 汁を付けながら食べ進むと 幸せが待っていて、 大きくて贅沢な一尾を軽く平らげる。 でも最近はご飯は“少なめ”にする。 付け合わせの“きくらげ”(山椒味)が、 隠れた名脇役で、必ず土産に買って帰るほど。 帰り道には何度も「美味しかったね」と 嫁さんと頷いていた。 2,100円は高いけど、でも安いと思う。 (並んででも食べたい一品 by 農園主) ※ 【ランチの王様】のブログ記事は、コチラ |
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あの時の後片付け
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2023/06/19(Mon)
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2019年9月の房総台風で
ハウスが全壊する被害にあった。 皆さまの応援で何とか仕事は順調に 続けることができていることもあって、 ちょっと昔のような気持ちになっている。 こうして災害の記憶は、 風化していくのかとも思う。 でも、その時の仕事の残骸が、 実はまだ残っていて、今日の午後、 「あのころを思い出すね」 と言いながら嫁さんと片付けた。 当時、農園の北側の駐車場の一部に 防草シートを10m×5mほどの範囲で敷いた。 高設ベッドの一部は、壊れて傾いたが、 その中の“土”はどうしても使いたくて、 袋に詰めて、そこに並べて置くことにした。 友人家族が手伝いに来てくれたなぁ。 新設した高設ベッドにその“土”を再び 運び入れるのも大変な作業だったが、 星野兄弟がよく働いてくれたっけ。 今は全てが懐かしい思い出である。 (まだ残っている仕事あるけど by 農園主) |
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もういいかい?
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2023/06/18(Sun)
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コロナ禍で“密”の象徴ともなった
クルーズ船の運航が再開されている。 海外ではすでに9割まで運行水準が 回復していて、国内でも同様に 賑わいを見せているそうだ。 (日経新聞) しかし、「 5月に5類に移行したが、 感染対策はコロナ禍前には戻せない」 というのが各社の一致した見解。 ダンスパーティーは、客同士の “密”を避けるため、開催せず、 音楽鑑賞やストレッチ教室などの 代替イベントを開くなどしている。 何となく気が緩み始めて、 このままなし崩し的になって いきそうな風潮であるが、 厳しい目にさらされてきたからこその 船会社の姿勢は、 多分、真っ当なのだと感じる。 コロナはなくなったわけではなく、 基礎疾患のある方にとっての怖さは 5類になっても何ら変わらない。 健康な人も感染後に後遺症に 悩む人も身近で聞かれる。 せっかく身に着いた一定の行動変容を もう少し続けたいと思った。 (多少面倒であっても by 農園主) |
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再訪 『ランチの王様』 (清見台カフェ編)
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2023/06/16(Fri)
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ランチタイムに、
女性客でいっぱいなら、 その店の味は間違いない。 これは揺るぎない法則だと 思っている。 久し振りに訪れた当店は、 相変わらず女性ばかりで 賑わっていて、 おっさんは自分だけだ。 定番は、“フルーツトマトパスタ”と “キッシュ”とデザートと飲み物の ランチセット(1,500円)。 ![]() パスタの一口目に、 トマトの爽やかな酸味を 強く感じた後、やがて食べ進むうちに 濃厚なトマトの甘味が来る。 アルデンテの麺とちょうどよく絡み、 完食後は、うっとり。 食後のコーヒーゼリー&アイスも 楽しみのひとつである。 (帰り道が“美味しい”かも by 農園主) ※ 【ランチの王様】のブログ記事は、コチラ |
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雨天いつでも決行
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2023/06/15(Thu)
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気が付けば、6月ももう半ばである。
本圃ハウスの片付けは何とか進んでいて、 本日、最後のハウス(かなみひめ)の 株抜きが終わり、ひと山超えた。 一番苦労したのは、今年も“おいCベリー”。 クラウンは脇芽もあって、とても大きく、 根も太いので、鎌で切り取るのに難儀する。 それに比べると、“紅ほっぺ”は、 根が細いので、サクッと切り取れ、 すいすいと仕事が進む。 この時ばかりは、 「来年は全部“紅ほっぺ”を植えようかな」 と思うほどである。 (水面浮上までもう少し by 農園主) |
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運
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2023/06/11(Sun)
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野球の話が続く。
ダルビッシュ投手が メジャー100勝を挙げた。 怪我もあったので、 彼本来の才能からすれば、 遅すぎる通過点かも知れない。 しかし、野茂投手(123勝)以来の 快挙であることは間違いなく、 まだ、36歳。 日米通算200勝まであと7つである。 「 運ですね。 強い気持ちを持ち続けることは 大事だが、自分でコントロール できないこともたくさんある。」 彼のインタビューを聞いて響いた。 巷の起業家や著名な経営者の 指南本を読むと、大抵は、自身の 独創性や統率力、マーケティング力 と言ったテーマに偏りがちだ。 しかし、世の中の経営者(農家も)は、 誰しもがみんな一生懸命に 考えて努力している。 脳みそがよじれるくらいに。多分。 プロのアスリートは、極限の練習を 日々、積み重ねているに違いない。 そこで、差が生まれるとすれば、 それは、ダルビッシュ投手の 言う通りなのかも。 もし、自分の会社や農園が “自身の努力や才能”で、順調に 運営されていると思っているなら、 それは、まだまだ全ての手を 打ち尽くしていないということで、 極限まで詰め切れていない ということになる。 (まだまだ、よじれていない by 農園主) |
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アクション
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2023/06/10(Sat)
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野球日本日本代表“侍ジャパン”の
WBC優勝の余韻は まだ残っているようで、 (本当に楽しい時間だった) 栗山監督の特集番組や記事、本を 目にする機会は多い。 オオタニサンが言うように、 「 プロ野球の監督っぽくない ような雰囲気を持った人 」 らしく、“誠心誠意”という言葉が ぴったりのようだ。 選手との接し方、仕事の仕方から 伺える。 「 迷うシーンがいっぱいあるが、 迷うなら先に手を打て。 最終的に打てる手は 打ち切ろうと思った。」 こうした姿勢に触れ、 チームスタッフは、 「まぁいいか、がない人」と証言する。 (日経新聞) 相場では、「買う」か「売る」か 「何もしない」かの三択の連続に なるのだが、最後の選択肢は、 曲者で、状況の変化への様子見は 大事だが、でも傍観してはいけない。 方向性は「何もしていなくても」、 アクションは必要で、先物なり オプションなり(派生商品という)を 使うとか、違う手応えを確認しにいく。 ( そういうことを怠って 手痛いめにばかりあっていた。) 栗山監督の「まぁいいか」がない姿勢は、 傍観しないという点で、どんな仕事、 イチゴ作りでもとても共感できること。 でも、難問は、ついつい後回しに したくなるもので、これって、 結構、難しいことでもある。 (まず、手を打つべし by 農園主) |
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走ること、休むこと
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2023/06/04(Sun)
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「はぁ~、つかれたね~」
毎日、帰宅して靴を脱ぎながら 同じことを嫁さんと言っている。 「でも、仕事ができるって、 本当に有難いことだよ」 足の痛みで、先月手術をされ、 リハビリのために今シーズンの イチゴ作りを休むという 苦渋の決断をされた先輩の言葉である。 40年以上続けてきた仕事を中断するのは、 さぞかし悔しく残念なことと思う。 我々は2019年の台風の被害で、 1年間休園したことがある。 再建に当時は必死だったが、 振り返れば、先行きへの不安など、 精神的に負担はあったように思い出される。 でも、再建した暁には、 ハウスはパワーアップしたものにしたい。 そして、“あっ”と驚く苺を作ってみたい。 その一念であったと思う。 彼の言葉通り、 「仕事があり、それができることの幸せ」 それをあらためて感じる。 (必ず復帰できることを信じて by 農園主) |
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おもてなしの値段
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2023/06/02(Fri)
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入場チケットが値上げになるそうだ。
ユニバーサル・スタジオ(USJ)は、 8月の繁忙期が1万円を超える。 ディズニーランドよりも 数百円高くなるそうだが、 どちらも高額には違いない。 でも、米国(フロリダ)の ディズニーランドの入場料は 1.5万円程度するそうなので、 世界水準に近づいているに 過ぎないとも言える。 コアなファンからすれば、 「高品質なサービス」への 対価として当然という評価で、 なんともない?値段かも知れない。 そこには“おもてなし”というか、 手厚い“ホスピタリティ”に感謝した 心付け(チップ)という 要素もありそうだ。 「お客さまは神様です」 という言葉があるが、逆に、 サービスを受ける(お客さま)が、 提供する側に「神対応」として 感謝する。そういうことは、 USJやディズニーランドに限らず、 どんなお店、レストランであっても 自分のお気に入りは大切にしたい と思うもの。 どこかにその境地に達する ホスピタリティの品質の水準が 必ずあるということである。 (相当高いものだろうけれど by 農園主) |
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