作る人、食べる人
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2023/06/24(Sat)
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イチゴの出荷高が全国1位の
栃木県では、今年の販売額が 過去最高を更新したそうだ。 牽引になったのは、 新品種の「とちあいか」の売上が 伸びた(2.6倍)ことにある。 確かにスーパーでもよく見かけた。 栃木県では生産の8割を占める “とちおとめ”に代わる品種に 育てていく目論見だそうだ。 「“とちおとめ”よりも収量が3割増し」 「病気に強い」 「実が固いのでパック詰め、輸送に有利」 ということで期待の品種とされている。 個人的には食する機会がなかったので、 味覚の違いは知らない。 しかし、農業界にありがちな 生産者の自己都合に陥ってないか 心配になってしまう。 作る理由は、 「消費者が望むから」に他ならない。 それが、 収量が少なかろうと(おいCベリー)、 病気に弱かろうと(かなみひめ)、 実が軟らかろうと(紅ほっぺ)。 皆さんの喜ぶ顔を見たいがためである。 これは決して綺麗ごとではなく、 農家の生命線である。 (楽な仕事はないでしょ by 農園主) |
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農を考える(税金の使い方)
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2021/10/20(Wed)
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会計検査院が、農地の集積事業に
対する税金の使い方に 改善すべき点があると指摘している。 休耕農地を中間管理機構 (主体は県庁)が集約して 担い手にまとめて貸し出すと いう仕組みに対するものである。 区画面積を拡大して貸し出すために 畔(あぜ)や暗渠(あんきょ)の 整備に補助金が出ているわけだが、 実際の集積実績が、計画比で 4割は未達になっているとの 指摘である。 税金を無駄にしないための チェック機能はとても有効なものである。 ただ、この問題の本質は、 中間管理機構は、貸し手と借り手を 同時にマッチングさせるという 前提であるのに対し、 「“信頼できる”借り手がいない」という 現実がある。 途中で耕作を投げ出す担い手も 少なくなく、ヘタに貸し出すと かえって農地が荒れてしまう事象を 残念ながらよく見かける。 そういう意味では、 検査院からの未達への圧力は、 自治体には「誰でもいいから貸せ」 という声に聞こえてしまうのではないか、 と心配する。 君津市内においても、 この10年で耕作放棄地だけでなく、 草ボウボウの放棄地予備軍が とても増えてきた。 農地政策と都市計画のすり合わせは、 待ったなしかと思う。 (主力の高齢化は進む by 農園主) |
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ケチな話
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2021/07/05(Mon)
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知的所有権の保護が大事なことは、
周知のことだが、 それは音楽や映画に限ったことではなく、 イチゴの苗についても同じである。 種苗法が改正され、 海外への日本独自品種の苗の流出を 阻止することが目的とされている。 しかし、それは国内での運用も同じ。 苗を販売する免許や栽培する許諾料を 負担することが求められる。 品種を開発した立場からすれば、 当然の権利なのだと思う。 それだけの研究努力と 独創的な発想があったのだから、 我々生産者は、 リスペクトしなくてはいけない。 バレなければいい、 もし、そういう風潮があるとすれば、 どこかのお国柄と同レベルと 恥じなければいけない。 (正々堂々と by 農園主) |
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