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いのちある限り
2023/08/22(Tue)
 東日本大震災の後、
陸前高田市を訪れた坂本龍一氏は、
「 人間ごときが努力して
 音楽や表現物を作っても、
 果たして何の意味があるんだろう、
 という無力感に襲われた。」
それでも、
「 自然には敵わないという
 前提を認めつつ、そこに二つ三つ、
 自分の音を足して楽しむ権利は
 あるんじゃないかと。
 もともとぼんやり持っていた
 考え方の方へ、震災をきっかけに、
 より傾いていったと
 言えるかもしれません。」
(「ぼくはあと何回、
  満月をみるだろう」 坂本龍一著)

 彼のように才能がある人間ならば、
音楽、書物を次々と生み出せる。
また、それを惜しんでは罪である。

 我々凡人でも、思いは同じで、
何か(二つ三つと言わず、一つでも)
自分のできる小さなことを
世の中に足してみたいと願う。

(イチゴ農家だってそうだ by 農園主)

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孜々(しし)として
2023/06/29(Thu)
 君津市立図書館(結構な蔵書数)で、
珍しく植物学者の特設コーナーがあり、
1冊借りて帰った。
朝の連続ドラマのモデルに
なっている人の自伝だったことは、
しばらく読んでから気が付いた。
普段、テレビはニュース以外は
見ないが、それにしても
我ながら勘の鈍さに呆れた。

「 学位や地位などには私は、
 何の執着をも感じておらぬ。
 ただ孜々(しし)として、
 天性好きな植物の研究をするのが、
 唯一の楽しみであり、
 またそれが生涯の目的でもある。」
( 「好きを生きる」 牧野富太郎 著 )

 小学校を中退した後、
独学で植物の観察に熱中し
「日本の植物学の父」となった。
多くの植物の命名を行い
「雑草という草は無い」
という言葉を残した人物。
(昭和天皇の言葉かと思っていたが)

 植物との関係は、
確かに休むことはできず、
まさに孜々とした態度が求められる。
なにせ相手は言葉を発しないのだから。
そういう意味では農業も栽培面では、
学位は役に立たないかも知れない。
でも、学者との違いは、
我々はそれを販売して初めて仕事が
成り立つことなので、
「マーケティング」や「営業力」や
「会計学」も勉強が要る。

(そういう意味でも百姓である by 農園主)


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いまを生きる(その2)
2022/09/10(Sat)
 小話をひとつご紹介。
(「限りある時間の使い方」
O.バークマン著から抜粋)

” 陽気なメキシコ人の漁師たちが
1日に2~3時間しか働かず、
太陽のもとでワインを飲んだり、
友達と楽器を演奏したりして
過ごしている。
それを見たアメリカの
ビジネスマンが言った。
「もっとたくさん働きなさい。
そうすれば利益で大きな漁船を買って、
人を雇って何百万ドルも稼いで、
さっさと引退することができる。」
それを聞いた漁師たちは、
「引退して何をするっていうんだい?」
と尋ねる。
ビジネスマンはそれに答える。
「太陽のもとでワインを飲んだり、
友達と楽器を演奏したりできるじゃないか」”

 計画性が重要であることは間違いなく、
刹那的な生き方をしたいわけではない。
しかし、将来に先送りしていることが
実現性のあることなのか。
もし、その努力自体が
目的になっているとしたら、
本末転倒である。
ワインと音楽、
今夜から始めよっと。

(メキシコ育ち by 農園主)

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いまを生きる
2022/09/09(Fri)
「時間を支配するものが、
        人生を支配する」

 いかに時間を効率的に使い、
仕事を“たくさん”こなしていくか。
銀行、証券会社でのサラリーマン時代は、
無論のこと、そして今のイチゴ農家でも
“生産性オタク”をずっと続けてきた。
しかし、もし時間に余裕がつくれても、
ちゃんと次の仕事ができ、
また同じことの繰り返し。
そして、自分の全てのタスクが
いつまでたっても終わらないことに
自己嫌悪を覚える。

 この悪循環は、
冒頭の考え方が間違っている。
そういう考え方がある。
(「限りある時間の使い方」O・.バークマン著)

 人生の時間には限りがあり、
(80歳の人生なら
4,000週間しかないそうだ)
やりたいことを全てこなすことなど、
そもそも無理だと諦めることから
始まると説く。
将来のいつか、やりたいことのために、
今の時間を懸命に効率化する苦労。
でも、その将来はいつ来るのか?
本当に来るのか?
時間は限られているという厳しい事実を
認めることができたなら、
“生産性オタク”からの呪縛から
解かれる糸口がある。
そういう考え方である。
ちょっと、ハッとする。

(もう少し掘り下げていきたい by 農園主)


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コミットメント(約束)
2022/08/24(Wed)
 今朝、津田さん(安房竹材)が
ハウスの補修をしに来園。
独りでは難儀していた箇所を
手伝ってくれた。
仕事の後、2人でお茶を飲みながら、
同世代の彼と雑談の中で、
「人生100年、これから
 仕事をどうするか?」
というテーマにいたった。
我々は体が資本の仕事であるが、
でも誰でもそうだ。
健康でいつまでも仕事ができることが、
目標であり、そのために下降していく
体力の衰えを遅らせるために、
筋トレを含めた体力作りが欠かせない。

 でも、その先はどうする?

 想像だが、
「社会へのコミットメント(約束)」
がキーワードじゃないかと。
もちろん、苺を通して皆さまと
関わりを維持できれば一番いい。
それが無理なら、
社会というと大袈裟で、
「隣人」でいいのだと思う。

「才能は天賦のものだが、
 優しさは“選択”の結果である」
(「創造と成功の原則」J.ベゾス著)

 自分の発言や行動は、
自分で選択できるものであり、
意図が持てるものである。
隣人に優しくすることも、
“社会へのコミットメント”
であると思う。

(自分の選択次第 by 農園主)

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