農を考える (本意について)
2018/07/09(Mon)
「“かなみひめ”の親苗の販売を
止めるですって?」
大手種苗会社の担当の方から
通告されて衝撃を受けた。
当社は、ウィルスフリーの親苗を
生長点からバイオ技術で育てる。
信頼してこれまで6シーズンの間、
当園はすべての親苗を購入しており、
100点満点とはいかないが、及第点の
苗を供給してもらっていると評価していた。
何よりもイチゴにとってもっとも深刻な
病気である炭疽病が出ていないのは、
当社の協力あってこそと。
そういう信頼関係があったので、
この通告には大変驚いた。
「あ、そうですか」というレベルの話では
ないので、上役からの説明を求めた。

「当社の損益分岐点はですね、
まず、コストが先行してそれから生産者が
増えれば収支は改善するのですが、
それがうまくいかなかったということです。」
―なぜ、生産者が増えなかったのですか?
「“かなみひめ”は作るのに癖がありますでしょ?」
―技術的に難しい、ということですか?
「そういう声が正直多いです。」
―食べたことはありますか?食味はどう思いますか?
「とても優れていると思います。」

 あべこべである。
美味しいものを、作るのが難しいからという理由で、
その品種の存続をやめる。
生産者ではなく、消費者が求めるものを
提供することに我々の存在意義があるのだから
それを自己否定することになる。

 確かに“かなみひめ”は病気や害虫に
とても弱く、作るのに手間がかかる。
一度作っても、止めてしまう生産者が
多いのも事実である。
しかし、当園にご来園された方なら、
よくご存じかと思うが、一度食べると
止められなくなる品種でもある。

 農業界の深刻な問題点がここにある。
“主役”が誰かを勘違いしたまま、
仕事をしている人がとても多い。
だから地盤沈下が止まらない。

 誰のためにイチゴを生産しているか?
誰のために種苗を作っているのか?
答えは簡単。
消費者の皆様が美味しいと言ってくれるから。
綺麗ごとではなく、それがすべてだと思う。

(つづく by 農園主) 

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