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農を考える (損得勘定の外側)
2018/12/11(Tue)
 農地の貸借関係は、とても難しく見える。
地主は、自分が営農しない
(あるいはできない)とはいえ、
先祖代々の大事な農地には違いないので、
むやみに、素性のわからない人間に
貸すわけにはいかないという気持ちがある。
一方の借り手は、まとまった農地を借りたい。
効率的に営農をしたいからである。

 当園は、幸いにも地主の方々のご好意で、
何の心配もなく、安心して営農ができている。

 しかし、巷では苦労話が
多いことも事実で、
地主が条件の悪い農地を
誰かに押し付けたいと考えたり、
借り手が安易に面積を増やして、
農地の草刈りなどの
基本的な保全をしなかったり。

 邪心があれば、契約が長続きする
はずもなく、いずれ破綻することになる。
農地で耕作してもらう、耕作させてもらう。
互いの立場を尊重し、農地の名の通りに、
純粋に活用することを考えられれば、
本来は、とても単純な話なのだと思う。

(ギブ・アンド・ギブで by 農園主)

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農を考える (責任は何処へ?について)
2018/09/18(Tue)
 耕作放棄地の問題はとても根深い。
しかし、政府もその解決に向けて、
決して無策ではない。

 農地の貸借を円滑に進めるために、
県が(中間管理機構:園芸協会という名称)
地主から直接農地を借り受けて
営農希望者に貸し出すという仕組みがある。
大規模な農業を促す狙いもある。
とても“効率的”な政策であるはず
(自分もそう思っていた)だったのだが、
意外な落とし穴があった。

 そもそも地主は、たとえ営農が
できなくなっても、
「先祖代々の大事な」農地であり、
周辺の農家に迷惑をかけてはいけないので、
最低限の管理を続けようとする。
「お恥ずかしい限り」
そう言って草刈りをしてきたように。

 さて、新しい政策では、
県は、貸し出す農業者の営農計画を確認して、
信頼できると判断した先と貸借契約を結ぶ。
「ならば、安心」地主はそういうはずだった。

 しかし、その借りる側にも思惑がある。
企業の中には、農業に興味がある先もあり、
(多くはないが)、特に外食、小売り業には
自前で野菜を調達したいニーズがあると聞く。
そういう企業が農地を借り、
営農は提携した地元の生産法人に一任する。
(地代は安価なのでコストはかからない。)
しかも成果物の量に応じて
手数料を払うという契約ならば、
両者には「できれば御の字」。
できなくても損失コストは安いので、
営農に本腰を入れる姿勢とはなりにくい
実態が生まれる。

 ならば「信頼できる先」ではないので、
貸借契約を解消すればいい。
そういうはずだったのであるが、
後に続く次の借り手が出てこない。。。
その結果、今の借り手に足元を見られて
しまうという構図になっている。

 真面目にコツコツと営農を
昔から続けている周辺農家に
迷惑をかける結果になるならば、
本末転倒な“政策”になりかねない。

(修正はまだ間に合うと思う by 農園主)


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夏の勉強会
2018/07/31(Tue)
 君津いちご部会の勉強会があり、
千葉県の研究センターから先生方に
ご参加いただいた。
そこで、興味深いお話をうかがった。

 トマトの研究が長いという先生が、
“かなみひめ”の現状を聞いて、

「トマトは、種苗会社が
すべての品種を決めています。
繁殖は種子でしかできなく、
その種子を保存しているのが、
種苗会社だからです。
イチゴのように自家苗の可能性が
ないのです。」

― えっ? ということは、
品種の選択権を生産者は完全に
奪われているということですか?

「もちろん、現場の意見は
拾っていると聞いていますが、
“作りやすさ”に流れやすいことは
否定できないでしょうね。」

―消費者が美味しいと思うかどうかが
すべてに優先するのだと思うのですが。

「品種改良の難しさは、例えば、
病気に強いものを目指すと食味は落ちます。
これは、様々な作目に共通する傾向です。」

― 農家が作りやすいもの、
つまり、我々が楽をしようと思うと
残念な結果になるということなのですね。。。

 自然の摂理は、とても上手く帳尻が
合うようになっているようである。

(少しほっとする事実でもある by 農園主)


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農を考える (種の保存について)
2018/07/10(Tue)
 “かなみひめ”が存続の危機である。
大手種苗会社から親苗の生産を止める
という通告を受けて、何度か話し合いを
してきたが、その説得の甲斐なく、
来春の提供が最後になるそうである。
つまり、このままでは、
今シーズンと来シーズンは、
皆さまに楽しんでいただけるが、
その先はなくなるということである。

 皆さんの悲しむ顔が次々浮かぶ。。。
大変残念なことだが、この会社を
糾弾していても埒はあかない。
(ただ、経緯をHPあるいは、
書面にて公表してほしい旨、申し入れた。
社会的な説明責任は少なくとも果たして
いただきたい。)

 さて、当園とお客様の明るい未来のために
今後どうするか、を嫁さんと考えている。
選択肢はいくつかある。
① 代理で親苗を作れる企業はないのか。
② 自家苗として自分で作ることは可能か。
③ 代替できる品種はないのか。

 直観的にどれも簡単ではなさそうだ。
ウィルスフリー苗であることが不可欠である。
病気(タンソ病)を出していては、
本末転倒になりかねない。
しっかりと調査と研究を始めていこうと思う。

(喜んでいただけるように by 農園主)

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農を考える (本意について)
2018/07/09(Mon)
「“かなみひめ”の親苗の販売を
止めるですって?」
大手種苗会社の担当の方から
通告されて衝撃を受けた。
当社は、ウィルスフリーの親苗を
生長点からバイオ技術で育てる。
信頼してこれまで6シーズンの間、
当園はすべての親苗を購入しており、
100点満点とはいかないが、及第点の
苗を供給してもらっていると評価していた。
何よりもイチゴにとってもっとも深刻な
病気である炭疽病が出ていないのは、
当社の協力あってこそと。
そういう信頼関係があったので、
この通告には大変驚いた。
「あ、そうですか」というレベルの話では
ないので、上役からの説明を求めた。

「当社の損益分岐点はですね、
まず、コストが先行してそれから生産者が
増えれば収支は改善するのですが、
それがうまくいかなかったということです。」
―なぜ、生産者が増えなかったのですか?
「“かなみひめ”は作るのに癖がありますでしょ?」
―技術的に難しい、ということですか?
「そういう声が正直多いです。」
―食べたことはありますか?食味はどう思いますか?
「とても優れていると思います。」

 あべこべである。
美味しいものを、作るのが難しいからという理由で、
その品種の存続をやめる。
生産者ではなく、消費者が求めるものを
提供することに我々の存在意義があるのだから
それを自己否定することになる。

 確かに“かなみひめ”は病気や害虫に
とても弱く、作るのに手間がかかる。
一度作っても、止めてしまう生産者が
多いのも事実である。
しかし、当園にご来園された方なら、
よくご存じかと思うが、一度食べると
止められなくなる品種でもある。

 農業界の深刻な問題点がここにある。
“主役”が誰かを勘違いしたまま、
仕事をしている人がとても多い。
だから地盤沈下が止まらない。

 誰のためにイチゴを生産しているか?
誰のために種苗を作っているのか?
答えは簡単。
消費者の皆様が美味しいと言ってくれるから。
綺麗ごとではなく、それがすべてだと思う。

(つづく by 農園主) 

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