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夏の勉強会
2018/07/31(Tue)
 君津いちご部会の勉強会があり、
千葉県の研究センターから先生方に
ご参加いただいた。
そこで、興味深いお話をうかがった。

 トマトの研究が長いという先生が、
“かなみひめ”の現状を聞いて、

「トマトは、種苗会社が
すべての品種を決めています。
繁殖は種子でしかできなく、
その種子を保存しているのが、
種苗会社だからです。
イチゴのように自家苗の可能性が
ないのです。」

― えっ? ということは、
品種の選択権を生産者は完全に
奪われているということですか?

「もちろん、現場の意見は
拾っていると聞いていますが、
“作りやすさ”に流れやすいことは
否定できないでしょうね。」

―消費者が美味しいと思うかどうかが
すべてに優先するのだと思うのですが。

「品種改良の難しさは、例えば、
病気に強いものを目指すと食味は落ちます。
これは、様々な作目に共通する傾向です。」

― 農家が作りやすいもの、
つまり、我々が楽をしようと思うと
残念な結果になるということなのですね。。。

 自然の摂理は、とても上手く帳尻が
合うようになっているようである。

(少しほっとする事実でもある by 農園主)


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農を考える (種の保存について)
2018/07/10(Tue)
 “かなみひめ”が存続の危機である。
大手種苗会社から親苗の生産を止める
という通告を受けて、何度か話し合いを
してきたが、その説得の甲斐なく、
来春の提供が最後になるそうである。
つまり、このままでは、
今シーズンと来シーズンは、
皆さまに楽しんでいただけるが、
その先はなくなるということである。

 皆さんの悲しむ顔が次々浮かぶ。。。
大変残念なことだが、この会社を
糾弾していても埒はあかない。
(ただ、経緯をHPあるいは、
書面にて公表してほしい旨、申し入れた。
社会的な説明責任は少なくとも果たして
いただきたい。)

 さて、当園とお客様の明るい未来のために
今後どうするか、を嫁さんと考えている。
選択肢はいくつかある。
① 代理で親苗を作れる企業はないのか。
② 自家苗として自分で作ることは可能か。
③ 代替できる品種はないのか。

 直観的にどれも簡単ではなさそうだ。
ウィルスフリー苗であることが不可欠である。
病気(タンソ病)を出していては、
本末転倒になりかねない。
しっかりと調査と研究を始めていこうと思う。

(喜んでいただけるように by 農園主)

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農を考える (本意について)
2018/07/09(Mon)
「“かなみひめ”の親苗の販売を
止めるですって?」
大手種苗会社の担当の方から
通告されて衝撃を受けた。
当社は、ウィルスフリーの親苗を
生長点からバイオ技術で育てる。
信頼してこれまで6シーズンの間、
当園はすべての親苗を購入しており、
100点満点とはいかないが、及第点の
苗を供給してもらっていると評価していた。
何よりもイチゴにとってもっとも深刻な
病気である炭疽病が出ていないのは、
当社の協力あってこそと。
そういう信頼関係があったので、
この通告には大変驚いた。
「あ、そうですか」というレベルの話では
ないので、上役からの説明を求めた。

「当社の損益分岐点はですね、
まず、コストが先行してそれから生産者が
増えれば収支は改善するのですが、
それがうまくいかなかったということです。」
―なぜ、生産者が増えなかったのですか?
「“かなみひめ”は作るのに癖がありますでしょ?」
―技術的に難しい、ということですか?
「そういう声が正直多いです。」
―食べたことはありますか?食味はどう思いますか?
「とても優れていると思います。」

 あべこべである。
美味しいものを、作るのが難しいからという理由で、
その品種の存続をやめる。
生産者ではなく、消費者が求めるものを
提供することに我々の存在意義があるのだから
それを自己否定することになる。

 確かに“かなみひめ”は病気や害虫に
とても弱く、作るのに手間がかかる。
一度作っても、止めてしまう生産者が
多いのも事実である。
しかし、当園にご来園された方なら、
よくご存じかと思うが、一度食べると
止められなくなる品種でもある。

 農業界の深刻な問題点がここにある。
“主役”が誰かを勘違いしたまま、
仕事をしている人がとても多い。
だから地盤沈下が止まらない。

 誰のためにイチゴを生産しているか?
誰のために種苗を作っているのか?
答えは簡単。
消費者の皆様が美味しいと言ってくれるから。
綺麗ごとではなく、それがすべてだと思う。

(つづく by 農園主) 

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農を考える ( 立地条件について )
2018/06/27(Wed)
 もしお店を新規にオープンするとしたら、
立地条件は何がいいのだろうか?
人通りが多く、交通の便がよく、
目立つ場所がいい。
と思ったのだが、そうでもないらしい。

「今の料理人は、店をどこで始めるか
という時に、まず食材が手に入りやすい
地域を探しています。
利便性は二の次という人が増えています。」
“ペルポンテ”のシェフから聞いた話である。
いい食材を高い値段で農家から買うことで
共存をはかりたいという思いもあり、
食材の種を守り、生産する農家を応援する。
そういう視点になっているそうだ。
そう聞いて、とても恥ずかしくなった。
我々、生産者はなんと努力が不足し、
思考が遅れていることか。
「市場に出しても値段が安くて。。。」
ぼやく農家が周りでも多い。
しかし、ビジネスチャンスは
周囲にも多くころがっているということ。
たとえそれが小さな取引で手間のかかる
ものであっても、それを逃す理由は
どこにあるのだろうか。
もちろん、最高の品を作ることが前提で
あるが、それを待ち望むマーケットが
すでに身近にあることを見逃してはいけない。

(まずは地元から by 農園主)


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農を考える ( IT、AI、植物工場について )
2017/07/03(Mon)
 牛丼の「吉野家」が農業事業から撤退したそうだ。
グループ内の食材(米、野菜)を作るために農業ビジネスを始めたが、
黒字のメドが立たず、生産を止めたという。
企業が鳴り物入りで最先端の技術で参入し、撤退する例は多い。
オムロン、ニチレイ、東芝、、、。
話題になった植物工場もその限界が言われる。
画一的な作業で、効率的に生産するはずだったのだが、
「熟練農家」の生産性に大きく劣る結果になったことが原因とされる。
植物には、個体差があるのが当たり前のはずだったのだが、
個別の対応を徹底して排除する栽培方法が、
アダになってしまったということだ。

 マニュアルや映像での栽培指導で、
「誰にでもできる」ことを目的とする「熟練技術の可視化」が提唱されている。
(「AI農業」神成淳司著)
それができれば、本当にありがたいことであるが、
どの世界を見渡しても、そういう仕事ならば、もはやプロフェッショナルではない。

 師匠に同じことを聞いても答えはひとつではない。
同じ条件下など、自然界ではありえないのだから。

( そこに挑戦する領域がある by 農園主 )

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