農を考える ( “市場の厚み”について )
2016/12/01(Thu)
 ディーラーの基本は、対象商品を安く買って高く売ることだが、
社会的には “流動性の供給” が期待される。 そういう意味で役割は大きい。
売りたい人と買いたい人を両者の納得する価格(市場価格)で売買を仲介する。
言うは易しだが、実際には同時にそれが起きることは稀なので、
常に在庫(ポジション)を持ち、リスク管理をすることになる。
そして、有能なディーラーには売買の量が集中し、世の中の動き(需給)が
よく見えてくる。必然的に情報も集まるので、収益機会も増えることになる。

 「値段が建てられない? じゃぁ、一体誰がこのマーケットを創るんだっ」
証券会社にいたころ、ディーリングルームで度々聞かれた怒号である。
“自分が市場を創り、自分が支える” そういう気骨がみんなにあった。

 農業分野の “流動性の供給” を一体誰が担うのか、いや担いたいのか。
日本中の農家が注目している。

( リスクテイクには胆力が要るものである by 農園主 )

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農を考える ( リターンの源泉について )
2016/11/16(Wed)
 政府(規制改革会議)から農業分野への提言が公表されている。
先週の第4回会議では具体的な施策が示され、とても興味深い。
全農の改革案2点である。

 まず、仕入。 全農が肥料や農薬の仕入れ当事者になって
固定律手数料をメーカーと生産者から二重で徴収するのは止めて、
第三者として農家へのコンサルタント機能を果たすべき。
(固定手数料だから、販売単価は高い方が収益貢献する、というカラクリを指摘)
そして、販売。 農家が生産した作目の販売はこれまで委託販売とし、
売れ残った分は生産者に返し、売れた分だけ手数料を徴収してきた。
これを全て買取り販売とすべき、と。

 収益は、付加価値を含む仕事の質と量の対価であることは周知のこと。
独自性のあるインフラを構築することなく、無リスクで手数料を取っているのであれば、
それは世の中では“ピンハネ”と呼ばれる。 今回の提言の本質はそこにある。
現場では、“農家のために”と働いている方々も大勢いるのであるから、
早く汚名をそそぐべきである。
そして、その前提として我々農家は自立を強く求められている。

( 楽な仕事は、存在しない by 農園主 )

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農を考える ( 選択の自由について )
2016/11/06(Sun)
 「農研機構の推計によれば、2060年には東北地方の平野部でリンゴの栽培が
 困難になる。 温州ミカンも、現在の主産地の多くで 栽培できなくなる恐れがある」

 今朝の新聞記事(日経)である。“地球温暖化”の影響で様々な産地で、
栽培品種を変えたり、新たな作目の栽培を始めたりしているそうだ。 具体的には、
青森県の津軽地方ではリンゴからモモへ。
愛媛県ではミカンからブラッドオレンジやアボガドへ、と。
とても遠い将来を見据えた戦略であり、
先見の明があると評価されるべき行動力かもしれない。

 しかし、正直、違和感を感じるところもある。
まず、“温暖化”のこと。 
時間軸の区切り方によっては“寒冷化”にあるという研究も根強くあり、
正解は分からない。 通説の咀嚼は一様ではない。
もし、その前提条件が正しいものだったとしても、
自分の作る作目を変えるという選択肢と同時に、
自分の生産する場所を変えるという選択もあるのではないか。
当園でいうなら、千葉県以外で新たな農園を開園するということだ。

( 発想は凝り固まらないようにしたい by 農園主 ) 

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農を考える ( 進化の原動力について )
2016/08/24(Wed)
 台風9号による千葉県内の農業被害額は、
農作物やビニールハウスなど合わせて5.1億円(23日時点)になるという。
君津市内の稲も倒れてしまっているところが散見される。

【写真】台風の強風で稲が倒れてしまった田んぼの様子

 毎回、この種の報道を目にする度に残念に思うことがある。
被害の状況把握や被害額の集計には、役所も関係団体も一生懸命なのだが、
その先がない。
例えば、ビニールハウスが倒壊してしまった場合には、
その構造上の原因を、施工業者を交えて調査したという話は聞かない。
3年前に当園のハウスが1棟倒壊した時にも、再建の時に生かしたいので、
その改善点を関係者に聞いて回ったが、
答えは口を揃えて 「風が強かったから」 だった。

 毎回、情報をコツコツと積み上げていき、全国的にそれを共有していくことができたら、
どんなにかハウス資材は向上し、建設技術は飛躍することだろう。

( 何事も “振り返り” が大事である by 農園主 ) 

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農を考える ( 6次産業化について )
2016/08/21(Sun)
 「選手の心づもり、実力9割、調子1割」
北島康介を育てた平井コーチが五輪で勝つための心得を言っている。
今回、金メダリストになった荻野選手も当初6対4と考えていたそうだが、
諭されて、より厳しい練習を積み重ねたそうである。
勝つためには不動の“底力”が要るということである。

 農業の“6次産業化”という言葉がもてはやされている。
「農業を1次産業としてだけではなく、加工などの2次産業、
さらにはサービスや販売などの3次産業まで含め、1次から3次まで
一体化した産業として農業の可能性を広げようとするものである。」 (農水省HP資料から)
平たく言うと、イチゴ農家はいちごを作るだけでなく、
知恵を絞ってジャムや酢?などの加工品を作ったり、
いちご狩りや直売のサービスをする、ということだ。
我々もその辺りは努力をしているつもりである。
ただ、それぞれの分野に注力するなら、3割ずつの配分になるはずだが、
実感として、どうもしっくりこない。
そう、“心づもり”の割合は9対1だ。生産に9割、それ以外が1割。
お客様が感動するいちごが出来て、初めて次がある。
消費者の味覚は、口先や手先でごまかせるようなものではない。

( “実力”をつけること by 農園主 )

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